「Mineral」といったら,皆さんは何を連想するでしょう?
「ミネラルウォーター」とか「体にいいもの」といった返事が多く聞か
れそうですが,辞書では「鉱物・無機物」となっています。欧米では
鉱物及び鉱物採集はある程度一般に浸透していますが,日本ではまだ
まだ認知度が低いのが現状です。 ここでは,鉱物とは一体どういう
ものかを簡単に説明致します。

     1、鉱物と石の違い

私は採集に行く時,よく「石を採りに行く」と言うことがある。
それならばその辺に落ちている石でもいいのか? と言うとそうではない。
ではいったい何が違うのか・・・。
一つ例をあげてみよう。 神社や墓石などに使われる「みかげ石」と呼ば
れる石だが,本来は「花崗岩」という名前の石。 この石を良く見て見ると
黒い部分と白い部分,それに灰色っぽく見える透明〜半透明の部分の3つに
分けられる。 これらはそれぞれ雲母,長石,石英という鉱物で,すなわち
花崗岩はこれらが集まって出来た「岩石」という事になる。
例えば石英は,珪素原子(Si)1個と酸素原子(O)2個という分子で出来て
いる為分子レベルではこれが最小単位となるわけだ。 少々難解な表現だが,
つまり具体的には

 1.  元素,または無機質。
 2.  分子レベルまで細かくしても,全て均一な状態である事。
 3.  結晶すること。(空間,温度等の条件を満たす場合)

となる。 勿論例外も有り,琥珀やパラフィン(天然)などは有機物質だし,
オパールは結晶することはない。 逆に,水(HO)だって鉱物になるのか
ということも出来る。 無論,水も温度と空間さえあれば結晶するのだが、
(雪の結晶がそうです)コレクションにいれている人はまずいないだろう。(笑)

     2、鉱物と人との関わり

私達の生活には,鉱物は欠かせません。 金,銀,銅,鉄,アルミ,等の
金属は元より,石油や塩(条件的には鉱物です)など,大抵の物は鉱物が
元になっています。 また,それらの性質を利用した技術も多く,例えば
あなたが今見ている画面(カラーでしょ?笑)の発色はブラウン管に使われ
ている稀土類元素の化合物の為であり(そういえば,キドカラーなんてのが
ありましたねぇ)それは螢石(CaF)という石が紫外線で蛍光するのを
発見したために見出された技術です。 他にも,上げればきりがない程の
恩恵を鉱物から得ています。 勿論鉱物のそのままの美しさに見入られた
人も多く,それは私達鉱物採集者だけではなかったようです。

     3、宝石となる鉱物

自然に出来た鉱物の結晶の色・輝きなどに惹かれ,人々はある種の鉱物を
宝石として珍重してきました。 特に,普遍的な性質と輝きを持つ「金」や,
けた外れの硬度と屈光率を持つ「ダイアモンド」などは現在でも非常に高価
な物です。 つまり,宝石になる要因としては,

・光沢や色彩,透明感などに優れている事。(つまり,見た目ね。)
・硬い,色褪せないなど美しさを保てる事。
・ある程度加工できる事。
・ある程度希産(滅多に採れない)である事。

といえるでしょう。 この趣味をやっていると「これも宝石にしてもいい
のでは?」というものもありますが,それが出来ないというのはやはり
「採算」もあるんでしょうねぇ・・・。

とりあえずはこんなところでしょうか?とにかく私達は,自然が創り出した
鉱物の造形美,色彩美などに惹かれ日々採集に勤しんでいるのです。ですから
当然結晶をしているものが望ましく,可能な限り自然の状態のまま保存したい
ものです。 研磨などの加工は出来れば避けたいし,お金を払って買うよりは
実際に自分の手で採集したいと思います。 店で売っている10センチ以上の
水晶を見るより,山で岩の窪みにニョキッ!と生えた数センチ足らずの水晶を
見つけた時の方が,遥かに感動できるのですから・・・。
(これはあくまでも個人的な考えです。。。汗)