石榴石
<Garnet>



鉄礬石榴石
灰礬石榴石
灰鉄石榴石
満礬石榴石
灰クロム石榴石



鉄礬石榴石

<Almandine>  Fe3Al2(SiO4)3

左;茨城県真壁町山ノ尾 産  右;愛知県幡豆郡鹿川 産

鉄を含む石榴石で、最も普通に見られるもの。 濃赤色で24面体の結晶を
することが多く様々な岩石中から産出する。 画像はいずれもペグマタイト
の石英に埋没しているもので、小さいながらも宝石質で大変きれいなもの。

左;左右35mm。 右;結晶径約3mm。
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灰礬石榴石

<Grossular>  Ca3Al2(SiO4)3
左;岐阜県武儀郡 洞戸鉱山 産  右;カナダ・ケベック 産

カルシウムを含む石榴石。 色は緑または褐色が一般的で、下の灰鉄石榴石と
鉄の含有量によって中間的なものも産出する。 左はスカルン中に出るもので
緑色不透明な結晶。 右の産地は蛇紋岩中に宝石質の結晶が出ることで有名で
緑、オレンジ、ピンクなど多様な色合いが見られる。 画像は無色のタイプ。

左;左右44mm。 右;画像の左右16mm。

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灰鉄石榴石

<Andradite>  Ca3Fe2(SiO4)

奈良県吉野郡天川村 行者還岳 産

上のグロッシュラーのアルミが鉄に置き換わったもので、産状や色合いもよく
似ているがこちらのほうが暗い色が多いように思う。画像は奈良で発見された
「レインボーガーネット」と呼ばれているもので、本鉱が長い間熱水の侵食を
受けた為に虹色の干渉色を示すようになったと言われている。 レインボーの
脈にできた晶洞の壁面に12面体の結晶面が群晶となっている。 このタイプ
は結晶面に付着物があることが多く遊色が表面より若干内部に入ることが多い
ので見た目の派手さは若干落ちる。 最大の結晶は径20ミリ。      

左右;120mm。

同上 産

上の標本とは別のもの。 左は結晶面ではなく結晶どうしが接触していた所で
割れた部分で、こうしたところに強い干渉色を観察できる。 右の画像では、
干渉色の強い部分が接触面、その上が結晶面で、稜線に沿って帯状に黒っぽい
部分がありその内側に暗く干渉色が見え、表面から少し内部に干渉色の層が 
ある様子が観察できる。 巷ではこの産地のもの(特に遊色の強いもの)を 
「スーパーレインボーガーネット」などと呼んでいるようだが、こうした色を
見ているとそう言いたくなる気持ちも判る気がする。           

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満礬石榴石

<Spessartine>  Mn3Al2(SiO4)3

左右、下;愛知県音羽町久田野 産

マンガンを含む石榴石で、普通はオレンジ〜褐色となる。 この産地は花崗岩
にマンガンを含んだ部分が点在しており、それに伴って本鉱が産出している。
左の画像のように24面体で不透明な結晶が石英などに埋没しているのが普通
だが、空隙には右や下の画像のように透明感のある12面体の結晶が見られる
事がある。                              

左;結晶径14mm。 右;結晶径20mm。 下;左右16mm。


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灰クロム石榴石

<Uvarovite>  Ca3Cr2(SiO4)3



埼玉県越生町 産

カルシウムとクロムを含む石榴石。
淡緑色〜濃緑色で、灰礬石榴石など
より鮮やかな色になる。 世界的に
も1cmに達する結晶は極稀で通常
数ミリ程度。 国内の産地も少なく
大抵が1mm以下。 これは微小な
淡緑色の結晶が点在している。  

画像の左右11mm。   


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